セカイ系おしゃべりJPOPユニット『ポップしなないで』を褒める
こんにちは。
皆様、ポップ聴いてますか。ポップ。
聴いていない人は聴きましょう。聴いてる人はもっと聴きましょう。
ということで、今回は先日見つけたナイスなポップユニット『ポップしなないで』を紹介、もとい褒めていきたいと思います。
ひとまず、この曲を聴いてね。
良す良すファンタジアか?
今日の語彙は全体的にこんな感じでいきます。考えず、感じましょう。
『ポップしなないで』の簡単な紹介
『ポップしなないで』とは
ボーカルのかめがい、ドラムのかわむらによる、セカイ系おしゃべりJPOP。
らしいです。セカイ系おしゃべりJPOP。なるほど。
サブジャンルの先鋭化も遂にここまできたか、と言った印象ですが、確かに一言で彼らの楽曲を表すとそんな感じがしますね。
それぞれの楽曲にはしっかりと彼らの哲学、もとい世界観を感じますし、ラップに近いポエトリーリーディング要素(おしゃべり)も取り入れつつ、サビメロやリフは非常にミニマルかつキャッチーで最終的にはJPOPに軟着陸させています。
正しくセカイ系おしゃべりJPOPですね。自分たちのやっている音楽の構成要素をしっかりと把握出来てるってのは、彼らの大きな強みの一つだと思います。
まぁ、言葉で説明しても分かりにくいよね。
実際に曲を聴きつつ、セカイ系おしゃべりJPOPを体感していきましょう。
セカイ系おしゃべりJPOP楽曲
言うとおり、神さま
まず、僕のイチオシ楽曲「言うとおり、神さま」から。
彼らの標榜する「セカイ系おしゃべりJPOP」を最も体感出来る楽曲ではないかと思います。超良くないっすか?超良いでしょ?僕はとても好きです。
楽曲は全体を通してミニマルかつタイト、かつキャッチー。至る所から様々なDNAを感じますね。
セカイ系特有の解釈の余地を残した歌詞、ポエトリーリーディング的な癖の強いボーカル、ブラックミュージック的なタイトさを持つドラム、FXを廃した楽曲構成、一つ一つの要素はおよそポップスからかけ離れているものの、完璧にJPOPとして成り立っています。あとMVがとても良い。歌詞と合わせて、色々と妄想が膨らみます。
いや本当に素晴らしいバランス感覚よね。ここから足しても引いても、崩れちゃう絶妙なとこで立ち止まっている感じ。良い。僕はこういうトラック数の少ない音楽が大好きです。
JPOPっていうのは、楽曲の土台部分にストリングスやらブラス、シンセ等の上物や効果音を足して足して作っているので、音数が多くなりがちなので、こういうミニマルなJPOPがより魅力的に聴こえます。下北沢で聴きたい。
丑三キャットウォーク
続いて「丑三キャットウォーク」曲名が良い。ジェンガをする為だけに画面にいるU-zhaanも実に贅沢で良いですね。
おしゃべり要素は抑えつつ、かめがい氏のボーカルとしての色を前面に押し出した楽曲ですね。フレーズごとにボーカルの色がガラッと変わります。あと微妙にシンセ、というかオルガンのような音が上の方で鳴ってます。本当に微妙にですが。4つ打ちサイコ〜!!!
それにしても、僕の中で彼女の歌声の第一印象は「YUKIとMOSHIMOの合いの子」って感じなのですが、こちらの楽曲で再評価の必要性を感じました。こんなソウルフルに歌えたんやね。すまねぇ。
終始ボーカルの遊びに耳がいく楽曲ですが、サビなんかは特に面白いですね。発声や息の抜き方と溜め、フォールやしゃくりが1フレーズ毎にどんどん変わっていきます。本人はめちゃくちゃ楽しそうに歌っているけど、こういうのを他の人がちゃんと歌おうとするとめちゃくちゃ難しいんですよね。サブカル系ですがしっかり上手い。良す良すです。
魔法使いのマキちゃん
ここまで挙げた4曲の中では最も古く、2017年発表の「魔法使いのマキちゃん」ですが、この時点で既に完成されてますね。
それにしてもこの二人はどこで出会ったんだろう。
ここまで聴いてきて、なんというか二人のバックグラウンドにそこまで共通点を感じないんですよね。リズムの素養が異なるというか。まぁ、僕の気のせいかもしれませんが。
タイトな縦のリズムと横に揺れるボーカルの対比が楽しいこちらの楽曲。相変わらず語尾のバリエーションが実に豊かです。4つ打ちに付点8分のリフも気持ち良いですね。非常にシンプルなリフレインですが、不思議と寂しさは感じません。
あとセクション毎のリズムの変化ですね。サビという感じはしませんが、リズムがハーフになる箇所は様々な音価が重なり合ってとても気持ち良い。リズムに関してはかわむら氏のアイデアが多かったりするのかな?
『ポップしなないで』の謎というか、面白いところは色々な要素が独立しているところんですよね。これはちょっと変な表現かもしれませんが。
リフやリズム、コードなんかが、それぞれ噛み合わないような雰囲気を持っているにも関わらず、なぜかこれ以上なく噛み合ってJPOPに昇華されているような感覚です。あまりうまく言えなくて申し訳ないんですけども。
あとがき
はい。こんなところでしょうか。
『ポップしなないで』の魅力が少しでも伝われば嬉しい。
しかし色々と書いておいてなんですが、百文は一聴にしかず、です。聴いてね。
僕は大体いつもダラダラと書き連ねがちなのですが、『ポップしなないで』のミニマルさを見習い、今回は短めに、ここらへんで締めたいと思います。
最後に
『ポップしなないで』の3rdアルバム「禁じられてはいない遊び」のレコ発があるそうです。楽しみっすね。
では。