音楽を褒める

好きな音楽を褒めます。

エモを褒める

 こんにちは。

 

 7月ですね。夏です。エモの季節。なろうぜ、感情。

 

 

 

 

はじめに

 先日Twitterを眺めていたら、なんだか「エモい」という単語について怒っている人を見つけました。曰く「私たちにとって、エモは特別」とのこと。なるほど。

 

 "エモ"とは"Emotional"を語源とする音楽ジャンルの一つ(個人的にはこの時点で既に異論しかありませんが)らしいです。Wikipediaにも書いてあったので、間違いありません。世界の真実はWikipediaによって決まりますので。

 

 昨今の日本では「エモい」という若者言葉を頻繁に耳にします。上に書いた人はその乱用に怒っているらしいですね。自分にとって特別な「ジャンルとしてのエモ」に端を発する「エモい」という単語がやたらと乱用される現状を憂いているようです。

 

 個人的にはどちらもEmotionalからの派生語だと捉えているので、いまいちピンときませんが。とはいえ、その気持ちは分からなくもありません。自分の好きな場に土足で踏み入られれば、誰でも気にくわないものですからね。

 

 

ジャンルとしてのエモ

 さて、ここは音楽について書き記すブログなので、音楽としてのエモも語りたいです。褒めたい。それが主題なので。

 

 まず、エモというジャンルについて。

 エモとはざっくばらんにいうとロックのサブジャンルです。エモという単語が生まれた90's当初は、パンクとかインディポップから派生した、物寂しいようなノスタルジーを感じるような、優しいような、なんか知らんけどそういう感情に訴えかけてくる音楽を指すものでした。

 

 この"ジャンルとしてのエモ"の厄介なところはですね、時代によって指す音楽性が全然違っちゃってる事なんですよね。今のエモと90'sのエモって全然違うんです。

 

 90'sにエモとされていたバンドはAmerican FootballとかFugaziとか、Mineralあたりでした。かっこいいよね。大好き。

 しかしながら時代が移るにつれて、Panic! at the DiscoとかFall Out Boyとか、そういうバンドがエモとされるようになっていったんですね。グランジみたいなもんです。

 

 なので正直「エモい」について怒ってる人の記事を見た時は「いや、"エモ"を奪っていったって意味では君達も同じでゎ?」って感想しか出てこなかったんですよね。

 

 "ジャンルとしてのエモ"は元々ナードのものだったんですよ。しみったれたオタクの惨めな音楽だったんです。日陰者がどうにかこうにかステージに上がって、何者かになるための音楽だったんですよ。元々は。そこからどんどんエモは商業的な音楽になっていったわけです。

 

 でも言葉っていうのは変わっていくモノなので、それはそれで良いのです。そもそも僕はエモをジャンルとして語るのが嫌いだし、それで良いのです。商業音楽大好き。

 

この世の音楽はすべてエモ

 僕がなぜエモをジャンルとして語るのが嫌いかというと、世間一般ではエモが「感動的、感情的な音楽」を指すらしいから、なんですね。

 

 いやそんな事を言ったら、この世の中に存在する音楽は全部エモじゃないですか。逆に誰も感動させられない音楽ってなに?逆にそれを探す方が難しくない?

 

 なので音楽ってのは元々全部"エモ"だし、全ての人にとって等しく"エモ"といえる音楽は存在しないんです。なにを聴いて"エモ"になろうが、その人の自由なので。

 

 僕にとっての"エモ"はAmerican Footallだし、エモキッズにとっての"エモ"はAs I Lay Dyingかもしれないし、女子高生はタピオカを飲んで"エモ"になるし、子持ちのお母さんにとっては子供の歌がなによりの"エモ"なんですよ。

 

 この世の音楽はすべてエモ。お前のエモと俺のエモでエモ・バトルや。

 

 

俺のエモのコーナー

  という事でこれより下は僕の"エモ"を紹介するコーナーです。聴いてね!褒めるぞ!

 

 

The Summer Ends / American Football


American Football - Summer Ends "Live at Webster Hall, NYC, NY"

 

 世界一カッケェ。俺もエモ・ザ・ベストはこいつらや。

 鳴ってる音全てがエモい。いや本当にエモいな。全てがエモい。American Footballの曲は基本的に全部クソエモですが、僕はこのThe Summer Endsが一番好きです。夏は別れの季節、夏の終わりの寂寥感は何物にも変えがたいのです。

 ちなみに僕は学生時代好きな人にこの曲を聴いてもらったら「いつ歌始まるの?」と言われてちょっと悲しかった思い出があります。何も言えんかったわ。だってその子は嵐が好きだったし。嵐は1分半もイントロに使う事ないもんな。俺があかんかったよ。みんなも好きな人にAmerican Footballを聴いてもらう時は気をつけてね!

 

 

Light Dance / Akira Kosemura


【MV】Akira Kosemura - Light Dance

 

 もうこの2曲だけで、俺のエモの方向性が分かってきたんじゃないかと思います。

 ピアノだけの非常にシンプルなインスト楽曲。ライブ盤だとストリングスが加わってそれもまたエモいのですが、ひとまず原曲版を聴いてね。

 いや、エモすぎか?僕はこういう夏を感じさせる楽曲に非常に弱いです。歌はないし特別テクニカルな事もやってないし、全ての人に好きになってもらえるような楽曲ではないかもしれないけれど、僕はとても好きです。特に3:26~の展開が最高に良い。エモは残響に始まり、残響に終わるのです。

 

Blueprint / Fugazi


Fugazi - Blueprint

 

 主にハードコアバンドを擁するインディーズレーベル『ディスコード・レコード』のオーナーであるIan MacKaye率いるハードコアバンド。90'sのエモシーンを代表するバンドの一つです。当時はエモコアなんて呼ばれてたりもしましたが、本人は嫌がってたみたい。まぁ、しょうもないっちゃしょうもないですからね。

 「Fugaziから挙げるならWaiting Roomじゃない?」などという考えが頭をよぎりましたが、僕は1stより2ndの方が好みです。古き良きパンクといった感じの音ですよね。ハードコアパンクと言いつつ、テンポは比較的ゆったりしてますね。そこもまた良し。

 90'sエモの特徴としてヘロヘロボーカルがありますが、Ian Mackayeのボーカルもお世辞にも上手いとは言えません。そこが最高。そこがエモ。

 

 

Sweetness / Jimmy Eat World


Jimmy Eat World - Sweetness (Official Music Video)

 

 上で「エモは時代によって指す音楽が大きく異なる」と書きましたが、Jimmy Eat Worldは「旧エモ・新エモ」の中間地点にいるようなバンドです。時代的にも音楽性的にも、後代のエモバンドに大きな影響を与えつつ、旧エモ層からも大きな支持を得ています。かっこいいよね。

 Sweetnessは僕にとってJEWで一番エモい曲です。切ないメロディ、一本気なバンドサウンド、そしてシンガロン、全てが最高。ライブでオー↑オー↓オー↓オ↓オ↑オー↓したい。メジャーとマイナーの対比も最高に熱いです。最高!

 

 

Seven / Sunny Day Real Estate


Sunny Day Real Estate - Seven [OFFICIAL VIDEO]

 

 しょっぱい。ギターの音がしょっぱすぎる。最高。

 上で挙げたJEWも影響を受けたと語る、エモの金字塔と言えるバンドです。MV見てもらえると分かるんですけど、ヒョロイですよね。どいつもこいつもしまむらのワゴンセール490円くらいで買ったようなヨレヨレの服着てる。そういうダサい奴がギターを掻き鳴らして叫んだのがエモの始まりな訳です。このダサさ、しょっぱさが最高にカッコいいのがエモ。

 このSunny Day Real Estate、本当に多くのバンドに影響を与えていまして、有名どころでいうと伝説的なエモバンドであるMineralとか、同じく90'sエモシーンを駆けたThe Get Up kidsなんかも影響を受けたらしいです。エモを語るには外しちゃあかんバンドというわけですね。

 ちなみにアルバムごとに音楽性が結構くっきり変わるのも面白いところ。サブスクで聴けるので聴こうね!

 

 

Parking Lot / Mineral


Mineral - Parking Lot (live)

 

 上でもちょろっと触れましたが、90'sエモシーンのトップを走りきった伝説的なバンドMineralでございます。カッコよすぎる。活動期間が4年というのもカッコいい。ちなみに最近復活しました。

 エモバンドの例に漏れずボーカルが不安定です。最高。歌があんまり上手くなくてもステージ上では最高にカッコイイボーカルになれるんや。にしてもこの動画、後半の展開がいつ見ても最高ですね。

 あと、これは不変の真理なので覚えておいて欲しいのですが、音はデカければデカイほどカッコイイしエモです。エモくなりたければ音量を上げろ。

 

 

 

 

 とりあえず6曲エモいのを紹介しました。流石に文量が多くなってきたので、そろそろ締めに入ろうと思います。いくらでも紹介できちゃうので。

 

 

終わりに

 エモの二文字が完全にゲシュタルト崩壊しました。

 

 エモってなに。なんもわからん。

 

 まぁでも、分からんで良いと思います。感情なんて基本的によく分からんもんです。よく分からんまま、各々が各々のエモいものに触れて、エモになればそれで良いのです。

 

 最後に、皆様がそれぞれのエモを見つけ、エモ・SUMMERを過ごせる事を祈っております。僕も最高のエモ・SUMMERを手に入れます。サクレで。